久しぶりにさーくる亀の作品を買ってみたが、やはり相変わらずといえば相変わらず。
長々と愚痴っぽいことを書くので急ぎの方は一番下のまとめっぽいやつだけ見ていただければ。
長年……処女作から数えれば10年間。ある意味偉業ではある。
蓄積されたノウハウは確かに発揮されており、オリジナルシステムではないものの、そこかしこから「有効」なシステムを切り貼りするのがとても上手い。戦闘エロの簡易アニメーション、戦闘時やイベントのセリフのインフォメーション等がそれらに当たる。
エロが可能になる塩梅も相変わらずである。序盤はとにかく直接的なエロはやらず、あくまでヌードや軽いセクハラのみと先を暗示できるエロのみでとどめており、負けイベから一気にエロイベを消化できるこの焦らしはエロRPGには欠かせないだろう。ただ見せずやらせずではなく、釣るのが上手いとでも言おうか。
また、パラレルシリーズ等で懲りたのか、マップやフラグなどは風呂敷がたためるレベルにまで落としており、従来の作品と比較して安定していると言えばしている。
ただし欠点も相変わらずである。
タイトルにもあるがエロCGが少ない。差分はあるのだが、基礎的なCGがかなり少ない。
作者もそれを自覚しているのか、RPGというシステムや文章で補ってはいるものの、明確に少ないのはどうしても誤魔化しきれない。
また、上述した簡易アニメーションも、元々ある一枚絵のエロCGをただ「左右に動かしているだけ」で、抽挿シーンがアニメするわけではない。ここまで来ると零細企業の努力を目の当たりにしているようで悲哀すら覚える。しかも、戦闘エロは一時中断もできずそのままメッセージやら何やらもノンストップである。こちらにコントロールを渡せ。
知っている人は知っていることだが、このサークルの作者の担当はあくまでシステムと文章のみであり、CGは外注から「相当」前に購入したものである。言い分が正しければ6~7年前のモノのはずである。その素材を各作品で流用したり角度変化やアップで誤魔化したりと、湯水のようにCGを出さずにケチっているからこういうことになっているわけである。それが特に今回は如実に現れている。
また、相変わらずゲーム自体が重い。各種プラグインやシステムを自分で開発しているのではなく、どこかにあるものを切り貼りしているためである。まぁ、チョイスは良いのでこれは一長一短、功罪とでも言えるものだろうが……それにしてもかなり重い作品である。
シナリオの内容はスルーしても良い。作者が作ったゲームと同じく、どこぞの作品から色々と切り貼りしたものだからである。それっぽさはあるので、読むとしても流し見でいいだろう。
回想数自体はあるが、上述の基本CG数の少なさから水増しが過ぎる。あまり期待はしないように。
あまりにも素材をケチった老舗零細企業エロRPG。
もはや尚たかみとさーくる亀のエロRPG演出じゃないと我慢ならない人なら買ってもいいのかもしれないが……
過去の経験から言わせてもらうならば、さーくる亀と少し距離を置くだけで「それ」はあっさり醒めるものとも言っておく。
修正パッチもエロイべないしはエロCGの追加も、さーくる亀の過去を知っているのならば絶望的と言っていいだろう。なんならえふよん等と同じく口先だけで騙してくるまである。
それもしっかり考慮した上で購入することをおすすめする。