笑ったらダメな奴だコレ、感動しなきゃ

どこぞの少年漫画で出た妖精の幼虫を思い起こさせる「美人面犬」アンナと姉弟のように育った少年が、思春期の性欲を思いのままにぶつける話なのだが…
絵が上手いのも有るが、短い中でしっかりと「絆」を感じさせる描写で、ハッキリとこの人面犬が「姉」なのだと認識させてくる。
ビジュアルがビジュアルなのでネタ作品かと思わせるが、れっきとした「異種恋愛」「義姉」モノである。

まず表情が素晴らしい、というよりこのデザインで表情が下手だったら幾らストーリーが良くてもシュールギャグになってしまっていたかもしれないが、お姉ちゃんらしい凛とした顔が発情する様、姉としての愛情で優しくなる様等がしっかり描かれており、犬の体はいかにも犬なのだがこの表情と喜ぶと尻尾を振る特性がなんともエロカワイイ。

ストーリーは思春期の少年がある日性欲に目覚め、身近な異性として飼っている人面犬を認識してしまいその欲望をぶつける物なのだが、見た目完全に小型犬なのにお姉ちゃんぶりながらも、擦りむいた傷を舐めたり、少年が大型犬を怖がると自分より何倍もデカいのに吠えたり、本当に家族としての絆を感じさせ、しっかり感情移入させてくる。
種族間の違いをしっかり認識しているアンナは、必ず訪れる別れを知りながらも弟を悲しませないためにそれを口に出さず、少年の欲望を受け止めつつ、いつか来る未来までは姉であろうとするその姿は何とも切ない。
正直このストーリー部分が予想外にしっかりしていて短編の泣きゲーでもプレイしてるのかと思った。笑っちゃダメな作品だと思うのはこのストーリー部分があるからこそ。

エロさとしてはデザインが複乳を強調されてないので顔以外も多少人間寄りだが、なにせこのビジュアルなのでどの構図でも顔が常に写るようにされていて、それなりに配慮されている印象。
姉なのに小型犬並みの体格なので、チンポが大きすぎるというのは中々エロいシチュエーションかもしれないが、流石にこのデザインではストレートにエロいとは言いにくい、しかし前述の表情のつけ方、感情移入のさせ方やアンナのモノローグがしっかりしているので、視覚情報より文字情報中心で見れば中々エロく感じる。
CG集としては90枚はボリュームがやや薄いが間延びさせることなく内容を詰めていて、枚数以上に中身も濃い。

デザインがデザインなので万人向けとは言いにくいが、エロ抜きに異種恋愛としてのツボも押さえているし、血の繋がらない姉という部分も押さえていて、意外なほどスラスラ読めた、異種恋愛モノ好きなら結構おススメ。