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新規レビュー 2019.03.14
レビュー更新 2019.05.11
01.ストーリー
02.おかずに使えるか
03.イラスト/グラフィック
04.ボリューム
05.コストパフォーマンス
06.システム/UI
07.面白さ/楽しさ
本作の主人公である頭脳明晰で記憶力にも自信のある貧乏学生のタイム。彼女のもとに一人の少年が訪ねてきた。
ソレルと名乗る彼は未来からタイムマシンに乗って来たタイムの息子だと述べる。そして過去に飛んできた理由を続けて語る。
タイムマシンを悪用し過去を改竄して暴利を得る企業。それのレジスタンスである彼は送られてくる刺客を巧みにいなしつつ地道に暗躍してきた。
それに痺れを切らした企業は次に過去へ渡り彼の母であるタイムに手を出そうと企む。マシンの開発者である彼女を殺さず苗床にすることで飼殺そうとする計画。
それを阻止するべく、とある危険な繁華街【紅蜃街】に現在潜伏中とされる刺客【タイムリーパー】を倒さねばならない。その協力をしてほしいと彼女に頼み込む。
可愛い息子のため。ひいては未来の自分のため。彼女は未来の息子を引き連れ紅蜃街へ足を踏み入れる。気づかぬ間に握りしめていた砂時計を手に・・・
ポップすぎる世界観に作者の知性の高さが滲み出る文章構成や語彙力で演出されるキャラやSTGのゲームバランス!
名作フリゲー好きは本サークルのもプレイしていくべし!
~ストーリー~
タイムマシンや砂時計が登場することから察せられる通り本作は主人公が時を渡りつつ話を進めていくタイムリープモノ。
主人公サイドが二人いることを利用し、どちらかが詰まされた所で、もう片方がタイムマシンで救出しやり直そうと彼女らは考える。
またタイムスリップ時は多くのものを失うが本人たちの記憶は失われない。記憶力に自身のある彼女はこれを駆使し、その身を呈してでも次につなげていく。
そして舞台の紅蜃街。金と暴力が支配するその街には様々な境遇の者たちが集まる。そんな彼らが本作のサブキャラやモブとして、その見た目に負けない強烈な個性を発揮しながら舞台を彩る。
ここで筆者が推したいのが【文章力】や【言葉選び】。ストーリーゲーな作品の常としてキャラの数が膨れ上がっていくのは本作も同じだが見事にこれを制御しきっている。
主人公も含めて本作のキャラは基本ちゃらけた発言が混ざってくるが、目につくのがその語彙力。豊富な引き出しがもたらすそれは最早笑いを通り越して感服すらさせられる。
そしてそんな彼らを使っての状況説明。舞台設定としてはあらすじの通り頭脳明晰なのは主人公のタイムなのだがゲーム的には重要な場面の発言は殆どのキャラも聡明。
キャラの個性を説明する文字を交えつつ豊富な語彙力で的確に説明していくキャラたちから作者の知性が滲み出て止まない。
すると次に課題になり得るのはプレイヤー置いてけぼり問題。作者のオナニーとも揶揄されるそれは作者の知識をひけらかす事だけが目的であろう駄文。
本作についてはその心配も全く無い。予備知識が必要なワードは丁寧に説明してくれる。また作者が悦に入ったような冗長な空想科学の話も無し。
~おかずに使えるか~
ちょっとした情報がネタバレに繋がりかねない本作では具体的なシチュを羅列することはできない。代わりに大雑把な概要を見ていこう。
ザックリ分けると【戦闘中エロ・セクハラ】【戦闘敗北監禁】【主要キャラ同士の絡み】【街H・セクハラ】で構成される。それぞれ見ていこう。
【戦闘中エロ・セクハラ】
雑魚との戦闘中に配置された2色のハートマークに当たることで展開。黄色のに当たると脱衣しピンクのに当たるとセクハラされる。
この時ステータスのスタミナゲージが減っていく。これが0になると以降のピンクが戦闘中エロのトリガーに。
処女なら喪失し、アイテムのアフターピルを購入していなければ一発で妊娠してしまう。その状態で無理にストーリー進行しようとすると・・・
・セクハラの内訳は【乳揉み】【尻揉み】【ぶちゅぅっとキス】【腹パン】【乳首イジリ】【膣内出し】。これらはカットインで専用CGが表示。
CGには効果音やハート、手の軌跡などポップな絵柄と合わせて、まさにエロ漫画の一コマ。シーン中は全身から汗を垂れ流してる他、目を大きく見開いて涙を垂れ流したりも。竿役の手は半透明。
・戦闘中エロの内訳は【対面立位】【背面立位】【立ち側位(拘束)】【正常位(まんぐり気味)】。相手の種類としては人型から人外まで。
敵に押さえつけられるが振り払おうとしたりギャグ顔で唐突にかましていくだけの余裕はある。挿入されるとハートを浮かべながら抗う。
射精は膣内出し。中出しされた精液にハートを浮かべつつも涙を浮かべて不快感を訴える。アイテムの洗浄液を使うことで洗い出すことが可能(妊娠しないとは言っていない)。
また挿入中は断面図が表示。冷や汗をかいた全身。挿入されたオチンポが子宮にぶつかると気づき線が。膣内でタプタプしてる精液に子宮は意思に反してきゅんきゅん。
差分として【着衣】【着衣・膣内出し状態】【下着】【下着・膣内出し状態】【裸】【裸・膣内出し状態】。それぞれ回想に。
上記の6差分の立ち絵はマップの常時立ち絵にも反映。開けた状態での重要なメインストーリー進行は基本的に不可。
因みに立ち絵が中出し状態になった時マップのサブキャラに話すことで精を吸い出してもらえるのだが、この時の嬌声がこの世で一番すき。この世で一番すき。
【戦闘敗北監禁】
戦闘で敗北した場合プレーヤーが何処かに監禁される場合がある。いくつか種類やパターンが有り色々起こる。
Hシーンとしては上記の戦闘中エロの立ち絵を基本CGとした専用差分の他、ボテ腹でお腹の子をいたわりながらのラブラブHも。
その他専用CGと長めのテキストの用意されたHイベも。
【主要キャラ同士の絡み】
結論から言ってしまうと主人公タイムの息子であるソレルとヒロインズのHシーン群である。いくつか数が用意されている。
真面目で理性的な彼は、そのふしだらな誘いに首を縦には振れないが、そんなことお構いなしにお姉ちゃんズに押し倒されて犯されてしまう。サフランすきすき。睡姦強要シチュも。
こちらもCGはハートや擬音に塗れたスチルや断面図が用意されている。
【街H・セクハラ】
町にゲスい顔のNPCが配置されるタイミングがあるのだが、彼らに話しかけたりすると専用CGと長めのテキスト付きのHシーンが発生。これらは何回でも起こせる。
・1万円に釣られ握手に応じたタイム。この際かけられた術によりオマンコを外部に繋がれたタイムは訳も分からず出先で膣内をオナホ感覚で犯され・・・
・お金の代わりに身体で払うことを選んだタイム。壁尻として設置され顔が見えない相手に道具のように扱われることに興奮しつつ代わる代わる犯され・・・
・休憩中のサラリーマンの誘いに乗りお茶するタイム。アイスティーに睡眠薬を盛られ、中にたっぷり中出しされ・・・
上記は専用CGと長めのテキストあり。
その他急にひん剥いてくるおじさんあり。全裸以降は犯される。立ち絵H。敵の中にもこのタイプのものが混じってる。
また下着・全裸にされると街全体の反応が変わる。治安の良いエリアだと心配してくれたりと穏便に終わるが治安が悪いと・・・
よく見たら犬に獣姦されるシーン発見。2種類。
~イラスト&グラフィック~
やはり目を引くのがサークルどくりんごサワー特有のポップなグラフィック。自家製を謳うそれらは世界の全てを構築している。これを順番に見ていこう。
まずは主要キャラ達。彼女たちもまたポップな世界観に合わせた塗りがされているが、よく見ると表情ごとの顔のパーツは近年流行りの萌え絵のパーツを多分に盛り込んでおり世界観に合ってる上に普通に萌えられる。
必ずしも萌え萌えしてばかりではなくキャラによっては場面に合わせてポップな作品にありがちな大げさな表情も取ってきたりする。
主人公タイムの立ち絵に関しては会話中の表情差分の際に立ち絵の基本CGごとコロコロ変わったりもするので豊富な表情やキャラの軽さと相まって活き活きとしている。
またマップに表示されるキャラチップ。本作はMV製だが標準の素材のそれとは一線を画している。
【饅頭みたいな可愛い顔・ほっぺた】【ジトッとしたお目々】【赤いほっぺた】【敢えて口が描画されてないタイム】等。
また二頭身に引き上げられており胴体にディテールの細かい衣服が着せられている。頭の被り物も同じくディテールが細かい。
力の入ったキャラチップは何も主要キャラたち特有のものではない。果ては街のモブに至るまで一切の妥協は見られない。キャラデザを到るところから引っ張ってきてはアレンジを加えて実装している。
昭和の漫画で見たようなキャラから普通に可愛い現代的な萌え絵を意識したドット、果ては かの名作「ゆめにっき」にいそうなアーティスティックな奴まで。
モブドットの特筆すべくは静止画ながら動きがあり感情が滲み出ていること。見返り妊婦すこすこ。
そしてマップチップ。一見マザー2のムーンサイドっぽいデザインの街並みだが描き込みの量により遥か高みへ到達してしまっている。
ビルの外装一つとっても配管から壁の装飾模様に電光掲示板の蛍光灯によるストライプ、布の繊維を表現するトーンやボロボロのコンクリを表現する細かすぎる亀裂まで。
また作品中には多くの絵画が飾られており、絵の具で描かれたようにしか認識できないそれは、かの名作「Ib」に登場した数々のそれを彷彿とさせる。元になった絵画とかあったりするのかな。
屋内も様々な家具や小物がビッシリと。一部「腐界に眠る王女のアバドーン」に出てくるような肉片・肉塊のドットもあるので苦手な方は注意。別にグロくもないけど。
また戦闘のSTGでは個性ある敵たちに合わせた弾幕のグラフィックが個別で用意されており、更にラウンドごとにセリフと共に専用カットインが毎回挟まる。
精細なドットで描写されたそれらはBGMやSEの絶妙なチョイスと合わさりガチのSTGゲーと同レベルの高揚感を与えてくれ、計数十回くらいのリトライも苦に感じた場面は一度たりともない。
~ボリューム~
ちょっとカウントの仕方が難しいが回想の数を筆者ルールで数えると40個の本番とセクハラが6個。基本CG13枚。
タイムリープモノの本作だがメインストーリーとしての大筋は一本なので純粋な尺は特別長くはないし、謎解き的に難しい場面もない。
本作の体感ボリュームの大小を二分するのは、ほぼほぼ戦闘要素であるSTG部分の腕に懸かってると言って差し支えない。
~コストパフォーマンス~
お値段税込み1620円。最近のトレンドになりつつある価格。本作の力の入れどころが、
・マップチップを中心としたポップなグラフィック
・だいぶガチなSTG
・改変しまくって原型がわからないユーザーインターフェース
・色々軽いキャラたちが演じる、かなり重いストーリー
に傾倒しているため、エロ同人の購買層より「undertale」や名作フリゲのファンに好まれる外装に仕上がってるのが、これの評価の仕方を難しくさせる。あくまでも外装はだが。
中身はやっぱり馴染みのある同人エロゲのノリなので「ゆめにっき」ぽいNPCがいつもの同人エロゲのノリでヒロインに絡んでくるシュールさ辺りは本作でしか楽しめないのではないかと。
~システム・UI~
本作はMV製だが何もかもが改変されていて最早原型がマウスの操作要素くらいしか残っていない。順番に見ていこう。
まずゲーム開始時にマウスを必須とし、それでのプレイを推奨される。画面の右側にある常時立ち絵と主に載ってるメニューやキャラの会話メニューはマウスでしか操作できない。
このメニューも非常に良くできていて
・直前までのあらすじが数ページに渡って連々と綴られている【STORY】ボタン
・次の目的を「彼女の口から」語る【NEXT BEHAVIOR】ボタン。彼女の口から発せられるその言葉には感情が多分に乗っている。
・【ITEM】ボタンを押すとドットのサムネの各種アイテムのボタンがビッシリと。見やすさも抜群だが、そもそも大抵自動で発動するのでプレイヤーの手間を最小限に抑えてきている。
・どこでも服を修繕できる【CLOTH】ボタン。なお膣内に出された精液は
・どこでもできるセーブ&ロード。
そして常時立ち絵をクリックすると現在の体調を観ることができる。中出しされていると断面図が下腹部から伸び・・・
キャラの会話メニューとは主要キャラに話しかけた時に立ち絵と共にズラーと選択肢が並ぶメニューのことである。個別に見ていこう。
【SEE】相手のキャラをタイム視点で解説。
【TALK】相手と対話する。雑談の他ゲームの進行に関わるコマンドも。
【HIT】相手をパンチ!キック!荒ぶる鷹。
【PAT】相手を頭を撫でる。最も煽り性能が高い。
【SING】美声を披露する。作者様の年齢も透ける。タイムの専用立ち絵あり。
【DANCE】いくぞ新曲ゥ!タイムの専用立ち絵あり。
【KNEAD】もみもみ。タイムの専用立ち絵あり。
【HUG】ぷにぷにしているらしい。
【LICK】タイムの専用立ち絵あり。タイムの専用立ち絵あり。
【KISS】サフランほんとすき。タイムの専用立ち絵あり。サフランほんとすき。
本作のタイムリープの仕様だがゼルダで言うと「ムジュラの仮面」のように特定の地点に戻らされるタイプで「時空の章」みたいなシステムとして複雑な時渡りはさせられない。
実質的にストーリー進行やバッドエンドで勝手に飛ばされるイベントで、システムとしてプレイヤーが頭を使わされることはない。
そんなこんなで進んでいき敵に接触すると始まるであろう戦闘。これが今作の目玉の一つの「ガチSTG」。まぁ安心して。まるでSTGやらない筆者でもラスボス以外アイテム使わずすんなり通れるレベルだから。
まず必須となる操作に弾の発射方法。これがマウスボタンの中ボタンのみなのでマウス使用からは絶対に逃れられないので注意しよう。一回押すことで後はラウンド中、常時超速射。
自機の性能は固定で成長要素なし。弾の性能は3wayの超速射。トグル式。画面一番下の中央からだと一番上の端を攻撃するのに横幅が一マス足りないくらいの射角。
移動がよくあるドット単位ではなくグリッド単位なのに要注意。チョン避けのパターン化には骨を折らされる。またMVの移動なのでチョン避け時に滑って2マス移動してしまうこともザラなので慎重に。
以上の点からボスが超弾幕を展開してくる本作をMVのマウス移動でやるのは我々がタイムマシンを完成させることより難しいのは自明なのでキーボードかパッドで移動しよう。
タイトルのコンフィグからゲームパッドのキーコンフィグもできる模様。
雑魚戦については画面下中央付近で展開することで誰でも突破できるように意図されたレベルデザインなので特筆することはない。犯されたい時にはハートに体当たり。
そしてボス戦。雑魚とは打って変わって唐突なガッチガチの弾幕STG。ボムなし。回復は自販機で1個だけ所持可能。自動回復。
筆者以上の初心者が万が一いた場合に備えてちょっとしたSTGの意識を置くべきポイントを纏めておこう。
・基本的に敵の弾はギリギリまで自機に引きつけよう。敵の弾は主に【自機を狙った弾】か【決まった位置に打つ弾】の2種。前者を少しでも沢山引きつけることで次の回避が俄然有利になる。
・最初は敢えて放置してぶつかってみて当たり判定の位置を確認するのがベター。大抵見た目通りの大きさではなくずっと小さかったりズレていたりする。
・距離を取ろうとしてずっと一番下で左右に避けたくなる気持ちは分かる。基本ムーブはそれが正解だが本作はそれだけで乗り越えられないようにできている。隙間が見えたら機転を利かせて前にも出よう。
・敵の凄い軌道の弾幕が画面を埋め尽くしていてガチャプレイになってしまう気持ちもわかる。そういう時は一旦落ち着いて移動キーから指を離そう。意外な回答が見えるかもしれない。
その上で一番火力出せる位置取りできるのがモアベターだけど、これがなかなか難しいねんな。(避けるだけで精一杯)
本作はドットからして雰囲気作りに並ならぬ力が入っているがBGMの選曲もそれに見合った数々のフリーBGMを用意してきている。中には筆者が知らないBGMも。お風呂のBGMすき。
回想は終盤に店で買えるアイテムから。キャラチップから選択するタイプ。CGのみ閲覧は無し。イベの総数がわからない(?)マップの移動もちょっと遅め。狭いから意図的になんだろうけど。
~面白さ・楽しさ~
高い語彙力で何でもない会話に惹き込ませつつ頭に入って着やすい文章構成の読みやすい文章。
そして計算されたSTG。ここからも作者の知性とこだわりがひしひしと感じられる。
ラスボスは2回倒して後2回被弾を抑えたら薬いらなくなるところまでは頑張った。ガチ勢はノーダメとかやっぱできるんかな。
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