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新規レビュー 2019.06.18
レビュー更新 2019.06.18
01.ストーリー
02.おかずに使えるか
03.イラスト/グラフィック
04.ボリューム
05.コストパフォーマンス
06.システム/UI
07.面白さ/楽しさ
2019年ベストえっちRPG(断言)。テキスト、絵、演出、システム、音楽など、すべての要素が高レベルで融合して相乗効果を発揮している。間違いなくえっちRPG史に残る。殿堂入りクラス。
以下、ネタバレ全開なので、できれば製品版をプレイしてから読もう。決して購入して後悔しないから。
# シナリオ、テキスト
完成度が高い。よく練られている。普通に構成力、文章力が高いので安心して物語に入っていける。幼馴染としての二人の絆をよく描写できているし、それが最初のダンジョン走破時に断続的に挿入されているので飽きさせない。ここはNTR的にとても大事なところ!
その二人の尊い絆を描写した後、脳天気なクズ男の罠によりヒロインのマジェタノお嬢様の貞操が無残に汚されて、性的快楽の果てに心まで堕とされていく。
女性一人称で進み、えっちの相手はクズ男のみ。言葉責めや露出オナニーでの羞恥プレイ以外は快楽調教中心でプレイ内容自体はぬるめ。たぶんこれ、軽い被虐趣味のある女性にもおすすめできるえっちゲームじゃないかなぁ。クズ男がクズすぎて引くかもしれないけど。一日中別荘にこもって食っちゃ寝とセックスしかしないボンボンのクズでドン引きしたけど、セックスだけは優秀(笑)そんなクズに、気高く責任感が強く長年想い合うパートナーがいる高貴なお嬢様が性的快楽で堕とされる堕ちものシナリオ。
禁書の呪いという便利なマジックアイテムでヒロインの体を弄ぶんだけど、このシナリオの白眉なところは、それでヒロインのマジェタノお嬢様の肉欲はあおるけど、性感や心はいじらずそのままにするところ。一部のシーンではプレイの一環として感度を上げるけど例外。あとは彼女のスケベな雌の本性を暴いていくために都度使用される。ここ大事。呪いでスケベにするのではなく、彼女の雌としてのチョロさスケベさを暴いて調教していくための道具として呪いを使う。ここは大事な違い。
長い段階をかけてじっくりねっとりと堕としていく過程が、良質な筆致で描かれている。エロテキストの発想力、文章力だけでも素晴らしいレベルのエロさになっているところ、ハイクオリティの絵も組み合わさって破壊力がすごい。
褒めてばかりはあれなので、ちょっと違和感を上げると、中出ししまくっているのに妊娠の恐怖がスルーされているのがちょっと引っかかった。妊娠の恐怖と背徳感を煽る成分がほとんどなく、回想イベントではほぼ全く無いのが微妙。
あと、街のNPCからの嘲りと罵りは、短いんだけどわりと素で心にきた。羞恥というよりなんだか素面に戻って凹んだ。冒険者どものセクハラ発言のほうがそれを感じずに済んで良かった。。。
あと、クズ男との回想えっちで、数日前~って表現がところどころ出てくるけど、数週間前のほうが実態と合っている。ふつうに記述ミスだと思う。
## NTRと堕ちもの
固い絆を育んて幼馴染の男と恋が実る寸前の女を卑劣な罠で快楽堕ちさせる系。作中本編では幼馴染の男は昏睡状態で心理描写がないため、もっぱらヒロインの快楽セックスを通じた心理変化に焦点が当てられる。NTRのフレーバーつきのヒロイン快楽堕ちといったほうがいいかもしれない。
でもこのNTRフレーバー、作者はほんとうにツボをわかっている。一対一での多段階快楽堕ち。たとえば、別荘での通常エッチのあとにベッドで同衾するヒロインの表情と態勢が、淫乱度の上昇によって変わっていったり、キスを重視してキスだけの段階回想シーンもあるほど力を入れていたり、キスに思い入れがある純愛エピソードをはさんだり、だんだんと幼馴染よりもクズ男をオナニーのおかずにする頻度が高まったり。ツボを分かっているので、えっちも快楽責めだけでなくNTR的興奮も融合して盛り上がる。音楽もこのNTR的心情の観点から選曲していると感じた。
幼馴染男のセロが本編ではずっと昏睡状態なのが物語のご都合主義を感じるし、何週間も眠り続けるのはふつうに危険な状態なのでちょっと引っかかった。セロが意識を取り戻して療養中としたら彼の心理描写も入れられそうだけど、物語がかなり複雑になりそう。セロがNTR進行に気づかないお間抜けなピエロキャラになってしまう恐れもあるので、良い割り切りかなーとも思う。
乱交や他の男との性的接触がなかったのが良かった。もしも安い乱交などがあると、このヒロインの魅力が激減してしまう。あくまで体だけでなく心までクズ男に奪われて堕とされただけで、だれでもいいわけじゃないというのが良い。
# キャラクター
ヒロインであるマジェタノお嬢様。こんなにオナニーが大好きなヒロインは初めて見た。そしてそのオナニーシーンが最高にエロいと思ったゲームも初めて。オナニークイーンマジェたん(笑)。「オナニー大好きマジェタノお嬢様の淫汁溢れる雌穴をほじくる悦びの時間」は、これ以上ないほど適切な状況説明(笑)。
でもこれは禁書の呪いで肉欲を煽られているせいで、本来の彼女はオナニーキャラじゃなかった。ゲーム開始時点での彼女のこれまでの人生でのオナニー回数はたったの十数回と、非常に少ないほう。半年に一回くらいの頻度?それなのに一転してオナニー狂いになるのだが、その理由にすごい説得力がある。禁書の呪いでダンジョン内では肉欲がどんどん高まるようにされているし、でもクズ男にはできるだけ抱かれたくないし時間ももったいないので、ダンジョン内で自分で肉欲を鎮めるしかないという追い込まれよう。あと理不尽な状況にストレスが溜まるだろうし、今までの人生での抑圧からの反動もありそうで、あっというまに猿のように(笑)。
マジェタノお嬢様は気高く責任感が強い。堕ちて馬鹿女に性格が変わってしまうんじゃなくて、凛々しく、知性、羞恥心を保ちつつ、彼とのエッチのときだけは彼を喜ばせるために強い羞恥心を感じながらも馬鹿なキャラを演じるというのがとても良かった。キャラ変するとお前誰だよってなって萎えるので。幼女のように甘ったれて舌足らずで自分のことをさしてマジェ、マジェと言うところは、自身の幼少時の甘えん坊キャラを思い出した素の状態なのかなーとも想像した。
マジェタノお嬢様は22歳でキスもなしの処女というのは奥手の幼馴染同士といえどもさすがに違和感があったし、精神年齢を見ても16~18歳くらいが良かった。セロはもしかして粗チンを気にしていたのかなあ。
# えっちシステム
作者はえっちRPGの特性をよくわかっているわー。
まず、レベルデザインがよく練られていると感じた。テストプレイをちゃんとやっている。マジェタノお嬢様のメインエッチであるクズ男との別荘でのエッチの回想解放条件を頭に入れて進むといい具合のレベル感で、淫乱度に応じた別荘エッチシステムでのエッチ描写とうまく歩調を合わせる形ですべての回想イベントをゲットできる。そうすると4種類あるエンディングのうちのいちばん悪い?エンドにたどり着くんだけど初回はそれでいいと思う。
ダンジョン走破中も肉欲の高まりでえっちなカットインとシステムメッセージが頻繁に流れてくるし、3階ごとに中継ポイントがありそこで野外オナニーが発生する。この野外オナニーが猛烈にエロくて、回想に登録されるイベントの条件を満たすと露出羞恥オナニーにハマっていくマジェタノお嬢様の変化を堪能できるし、条件をみたさなくてもお嬢様が激しい露出オナニーを堪能する様子をランダムのエッチな状況説明システムメッセージで堪能できる。
このシステムの出来がほんとうに素晴らしい。「オナニー大好きマジェタノお嬢様の淫汁溢れる雌穴をほじくる悦びの時間」というテキストのセンスがまず素晴らしいし、このテキストのフォントデザインがえっちえっちで素晴らしいし、それがびくっびくっとアニメーションしているのが、お嬢様の性感の波を表象しているようで猛烈にエロい。えっちRPGの良さをとてもよく引き出している。そしてランダムのエッチな状況説明メッセージが肝だが、これがまたエロい。えっちRPGならではのエロさ。これが一番エロいと評価する人も多いのでは。
エッチ中は効果的にエロバックグラウンドボイスが鳴る。シチュに応じてけっこう丁寧に出し分けられているのがすばらしい。
このエロシステムは、あとはクズ男の別荘での通常エッチと野外露出セックスの二種類がある。ときどき、背景のエッチ絵とエッチな状況説明システムメッセージに齟齬があるのが玉に瑕。
「マジェタノの本心」が細かく更新されて、「消せない記憶」も大量に追加されていくので、良い意味で確認に忙しく、プレイにアクセントができてだれない。
ダンジョン走破が面倒ならワープポイントでゴールまで簡単に到達できる。このちんこを萎えさせない配慮よ。
ただ、すこし改善してほしいところとして、「消せない記憶」に、通し番号か取得順ソートがほしい。数が増えると新しく取得した記憶のテキストを読みたいのにすぐに見つからないので、読むのを諦めるようになった。
あと、回想部屋に、通常エッチ、野外オナニー、野外エッチシステムのシミュレーターがほしいな。
# 絵
マジェタノお嬢様の魅力がすばらしい。絵師さんは素晴らしい仕事をなされた。個人的に100点満点のキャラデザ。そして特に、露出オナニー絵のエロ可愛さは神がかっているレベル。普段の凛々しい顔と、照れ顔やキス顔や正常位や後背位でぱこぱこされているときのトロ顔やオナニー時のキマった顔などのエロ顔のギャップがすばらしい。ただ、絵によっては多少クオリティーに差があるものもある。
基本枚数は少なめで、15枚。そしてヒロインのマジェタノお嬢様の衣装は、一張羅とベビードールだけ。外見の変化はない。はじめての作品ということもあり、リスクを減らすためにコストを削ったのかもしれない。そのかわり差分が非常に豊富。また、ひとつの絵の見せ方をいろいろ工夫してうまく使いまわしているので、基本枚数の少なさをあまり感じさせない。これは良い割り切りだと思った。
マジェタノお嬢様エロ可愛いよほんとうに可愛いよ。
# 音楽
多くのえっちRPGと同じく自作ではないみたいだけど、選曲のセンスがとてもいい。ダンジョンの音楽は、低層は悲壮感がある曲なんだけど、それがマジェタノお嬢様がバズリアにセクハラを受けて貞操が汚されていきながら走破するシチュに妙に合っていた。計算づく?
# 印象に残ったえっちイベント
捨てイベントがほとんどなくて、どのイベントもとても出来が良いと思う。作中数週間に渡って毎日すこしづつ段階堕ちする様を堪能した。間男との別荘エッチはほぼすべて良い上にそれぞれが繋がってきれいに段階落ちになっている。この構成力とねちっこさはほんとうにすごい。
オナニーも丁寧に心情を吐露させて段階堕ちして変態として仕上がっていくさまがほんとうにエロかった。特に良かったイベントとして、物語終盤の受精妄想シーンがあげられる。子宮内の卵子にクズ男の精子が向かってくる妄想をした瞬間に「向がっっっっ!!」っと突然に一瞬でイって、その波が落ちついたらまたいそいそとオナニーを再開する様がエロすぎた。
# 不満なシーン、ほしかったイベント
絶賛するからこそ同時にわずかな不満点を書かずにはいられない。気に入らなかった作品はスルーするだけなので。100点を120点にするための不満。
たとえば、処女喪失のシーンでは、もっとじわじわと時間を書けて処女まんこを割り開いていって、その際のマジェタノお嬢様の処女膜が破れる前後やちんこが奥まで入ってくる感触の感想や反応、心情を多めに描写してほしかった。NTR的に重要なシーンだと思うけど、破瓜の瞬間がややあっさり目に感じた。
また、キスシーンで、唇と舌が絡みついているアップ絵がほしかった。それを画面右端に画面横幅1/4くらいとって、キスとべろちゅーをしているときに唇が合わさったり舌が絡みついていたりするオーバーレイがあれば最高だった。
あと、クズ男と恋人堕ちする前はほんとうに最高だったのでとても贅沢な不満だけど、堕ちたあとのアフターディズ的なシーンはもうすこし欲しかった。妄想した要素を挙げると、
- クズ男の精液を口に含んでじっくりと味わいながら露出オナニー
- 口内射精後に大口を開けて舌の上のぷるぷる精液を見てもらい、口内でそれをごっくんする許可がでるまで口の中で味わいつづける作法を躾けられる。
- 鮮やかな色のアイラインと口紅をつけた娼婦のような化粧で、アナルなめ、乳首なめ手コキやソープなどの娼婦プレイ
- 日焼け跡だったり局部にピアッシングしたり淫紋タトゥーを入れたり
- ボテ腹立ち絵とセックス。肉体的に真の取り返しのつかない感がでそう。乳首が黒ずんだりマン毛が濃くなって、という肉体の変化。
そういう内容の有料で追加シナリオがほしい。すでに大好評の売れ行きなので、これは次回作の前に有料の追加シナリオなどを期待してしまう。ほんとうに気に入ったので、追加シナリオならば1000円でも2000円でも買う。絵の基本枚数ももうちょっと増やしてほしいな、たとえば3倍とか(笑)。
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