名作巨大娘ゲーの外伝…らしきもの

ハッキリ評価が難しい作品である。
前作縮小学園は、未完成のフリーゲームながらその巨大娘フェチを全開にした内容から、有志が集いCG、バグ修正、バランス調整等、何度もバージョンアップを繰り返し最終的には不動の名作巨大娘ゲーとして知られる。
しかしフリーゲームという事もありむしろ課金させてくれという声さえ聞こえており、それに対しDL頒布ノウハウのある巨大娘サークル「I-Raf-you」の協力を経て製作されたのがこの作品である。
なのでどうしても前作との比較は避けられないが、単体として見るにせよ続編と見るにせよ、巨大娘ゲー自体が希少であり、ただの巨大娘ゲーとして評価するか、いずれにせよ比較対象をどこに置くかが難しい。
そして単体と見るには前作との繋がりも大きいので、それも難しく評価はファジーにならざるを得ない。それを承知の上で評価を読むことをお勧めする。

まずこの作品だが…ハッキリ無印縮小学園がどれだけ凄い作品かわかってしまう。
ストーリーはスタッフの続投やサークルが心得ているのもあり、巨大娘フェチを感じさせる物ではある、前作との繋がりが強い部分もあるので、前作プレイ前提。
一部の展開は前作ファンには受け入れにくいかもしれないが、前作はそもそも単発で終わるつもりだったわけだし、ストーリーもバージョンアップごとに結構変わってるので、あまり自分はカッチリしたものを求めていないし、一本のエロRPGとしては直接的なエロが薄いのは有料と無料で評価が分かれるかもしれないが、巨大娘ゲーという事を考えるとそこまで低評価する気は無い。

しかしとにかくイラスト数が少ない！
CG自体のクオリティは高いのだが、外注で金払って作るのと、スタッフが無償で協力するのでは当然枚数に制限が出るのは当然だが、それにしても少ない。
前作ではゲームーバー時に表示されるCGが非常に多く、それらも体格差の強調や見上げる構図が多く、弄ばれたり蹂躙されたり覗いたりイチャイチャしたり、様々なシチュエーションが有ったのだが、今作ではゲームオーバー時のCGが殆ど無い。
テキストでのゲームオーバー表現も短すぎて、エロ「RPG」部分のボリュームと比べると「エロ」RPGとしてのボリュームが正直薄い。
ところどころの表現はエロいのに短すぎたりCGが無かったり、ボイス採用で余計にCGが減らされたのかとかいろいろ勘繰りたくなるが、その癖ここにCG必要か疑問に思うところにCGが使われていたり…とにかく妙にちぐはぐな印象を受けるが、どうもCGの使用基準が前作に比べ巨大な背景絵を縮小状態で歩き回るシチュに偏っているのが大きいように思う。
単純に一本の巨大娘エロRPGとして見るならこれはこれで演出の範疇かもしれないが…。

ゲームとしては救済措置ややり込み要素が多すぎた前作に比べると、救済措置は少なくなったもののその分やりごたえが有り、寄り道も少ない分本筋を進めやすく、パーティーメンバーに女性が増えたり、エロRPGとしては中々うれしい要素もある。
ただ、純粋に本筋だけに絞るとあっさり目の無印に比べると、寄り道が少ない代わりに本筋が長い感じの調整になっていて、痛し痒しだが、エロが薄い点と併せると前作より評価を下げざるを得ない。

最大の問題はなんというか…不評が多いのもあってかサークルがゲームオーバーCGの増量企画をぶち上げていたのだが、諸々の事情でこの企画をお流れにしてしまったことである。
ハッキリ言うとこの時の対応が色々拙すぎて、実際以上に評価を落としている面は否めない。

ただ一応自分としては前作と比較した場合、とにかくCGの枚数不足が目立ち、エロRPGとしてはやり込み要素は少ないモノの、ゲーム部分は中々面白いし結構遊べるのでコスパはともかくRPG部分は悪くない、CGも枚数こそ少ないが美麗だし巨大感は有るし、欠点は目立つもののそこまで酷くないと思っている。
それでも企画お流れの件は正直白い目で見ざるを得ないが…。
何だかんだ不満を述べているが、自分が重視する部分である「ボリューム」はRPG部分がそこそこ充実していて、「ゲーム性」は前作と違う方向だが充実していて、「フェティッシュな情熱」は高く、つくづく縮小学園が名作すぎるせいで感じる不満がどうしても目に付いてしまい、上手い具合の評価は浮かんでこない。