母、熟女系のエロCG集を主に出していた自由いんぽん党、初のゲーム作品。
だが…多くのマザコンゲーが「母」に「甘える」ような構図が多いのだが、この作品の主人公深刻なマザコンの結果「母」が「甘えてくれる」男になろうと努力しているのである。
さらに母親も母としての役割や、家庭を顧みない父に愛の実感を得られず、家庭の事情に疲れこっそり浮気に走っているなど、母エロゲーとしては割と珍しい重めの設定である。
そんな母に頼られるように男としてあらゆる力を注ぎこんで、母親を射止めるのが目的という、マザコンゲーとしては中々挑戦的な作品になっている。
元々がCG集サークルという事もあってか基本はノベルゲーで、選択肢は多少存在するが、一部のCGやおまけの回収にかかわる程度のシンプルな作り。
ストーリーはとにかく「俺の母親属性を叩きこんでやる!」と言わんばかりの気合いの入ったテキストで、エロ以外の日常描写も濃密で苦悩する母親、息子への愛が性へと変わる母親、母親への愛で突っ走る息子というのは上手く表現できている。
母親への愛が成す技とはいえ主人公が最強すぎる上に、いくらマザコンにしてもそこまで愛情を貫けるのかとか、白ける人もいそうだが自分は許容範囲で、なにより徹頭徹尾ライターの母親属性への愛を感じるので重めの設定のわりに勢いが強く、爽快感さえ感じむしろ加点したい部分。
母親単独ヒロインとはいえ、周囲の女性キャラも中々にそそるものが有るのだが、それらは主人公の母親への愛や母親の魅力への引き立て役に徹していて、全編を貫き母親属性が徹底されている。
重めの設定だが基本はハッピーエンドというか、不倫エンドというか、母子ラブラブ物に仕上がっていて、この点もかなり挑戦的。
CGは見ての通りの爆乳系で上手い、単独ヒロインだがエロいむっちりボディはかなり魅力的、CG枚数も同人ゲーとしては差分無しに30枚前後とそれなりの枚数なのだが…致命的なのがCGモードの貧弱さと回想モードが無い事。
CGモードは実装されているのだが、一部のCGは収録されておらず(息子の勃起シーンとかだが…)おまけモードで閲覧可能なサブキャラのCGは登録されない仕様なので、母親のヒロイン性というか特別性は高まっているのだが、この辺はゲームとしてはちょっと不満。
何故か息子の孤独のグ〇メパロのCG一枚絵はモードに登録されているので、ちぐはぐな印象を受けた。
ただ最大の不満点は回想モードが無いという事。
元々CG集サークルという事と、一部のエロシーンを見るに、回想の導入をどこにするか迷ったor回想の必要性を感じなかったのかもしれないが、同人とはいえエロゲーで回想シーン無しは正直かなりストレスがたまる。
特にテキストに気合いが入っているだけに、見返すために一々セーブファイルを作らないといけないというのはかなり面倒。
セーブ&ロード、スキップ等一般的なシステムはそろっているのだが、ゲーム作品初挑戦という事を考えても、ノベルゲーでこの部分は片手落ちと言わざるを得ない。
もしも次回作があるなら筆頭改善部分で、それ以外の部分は割と自分の好みに合致しているだけに回想モード有りなら総合☆5だったかもしれない。
総合すると母親属性なのは間違いないが決してライトなノリではないので、好き嫌いは分かれるだろうし、ゲーム部分の不満点は目立つが、ストーリーは「母しか愛せない究極のマザコン息子が繰り広げる人生をかけた母親陥落大作戦」の看板に偽りなし。